1.2 情報セキュリティにおけるリスクとは?脅威、脆弱性、リスク顕在化を徹底解説

情報セキュリティ
リスク
脅威
脆弱性
物理的脆弱性
技術的脆弱性
人的脆弱性
リスク顕在化
情報資産
情報資産台帳

前のセクション「1.1 情報セキュリティーとは」では、情報セキュリティの基本概念である機密性、完全性、可用性について詳しく解説しました。これらの概念は、情報資産を守るための基盤となるものです。本セクションでは、情報セキュリティにおけるリスクについて探っていきます。

 

1.2 リスク

情報セキュリティにおけるリスクとは、脅威が脆弱性を悪用して情報資産に損害を与える可能性を指します。ここでは、リスクの基本要素である情報資産、脅威、脆弱性について、そしてリスクがどのように顕在化するかを説明します。

1.2.1 情報資産と脅威

会社が持つ情報資産は、その業務にとって不可欠なものであり、保護すべき対象です。情報資産には、顧客データ、知的財産、財務情報、従業員情報などが含まれます。これらを整理し、台帳として管理することは、セキュリティ対策の基本です。

情報資産台帳は、会社が保有する全ての情報資産をリストアップし、それぞれに対するリスクや脆弱性、保護対策を管理する文書です。これを作成することで、会社がどの情報を保護する必要があるかを明確にし、適切な対策を講じることができます。

脅威は、これらの情報資産に損害を与える可能性のある要因を指します。脅威はサイバー攻撃に限らず、災害や人的ミス、盗難など多岐にわたります。

1.2.2 脆弱性の存在

脆弱性とは、システムや組織が持つ欠点や弱点であり、脅威がその欠点を突くことで損害が発生するリスクを生み出します。脆弱性はソフトウェアのバグや設定ミス、物理的なセキュリティの欠如、従業員の教育不足など、さまざまな形で存在します。脆弱性が残されたままだと、情報資産が攻撃や損害にさらされやすくなります。

1.2.3 物理的脆弱性

物理的脆弱性とは、施設や機器などの物理的なセキュリティ対策が不十分であることを指します。例えば、データセンターの施錠が甘い、監視カメラが設置されていない、サーバーが洪水や火災に対して無防備である、といった場合が該当します。物理的なセキュリティを確保するためには、適切なアクセス制御や防犯対策、自然災害に備えた対策が求められます。

1.2.4 技術的脆弱性

技術的脆弱性は、システムやネットワークの設計や構成に存在するセキュリティ上の弱点です。たとえば、ファイアウォールやウイルス対策ソフトの未更新、暗号化されていない通信、ソフトウェアのバグや未修正の脆弱性がこれに該当します。これらの技術的脆弱性があると、サイバー攻撃やデータの不正アクセスを許す可能性が高まります。

1.2.5 人的脆弱性

人的脆弱性は、従業員の不注意や無知、内部犯行などによりセキュリティが危険にさらされることを指します。例えば、弱いパスワードを使用する、セキュリティ教育が不足している、社会的工学攻撃(ソーシャルエンジニアリング)に引っかかることが人的脆弱性です。これらのリスクに対処するためには、従業員への教育や意識向上、強固なパスワードポリシーの導入が必要です。

1.2.6 リスクの顕在化

リスクが顕在化するとは、実際に脅威が脆弱性を利用して損害が発生することを意味します。例えば、サイバー攻撃によって機密情報が流出したり、人的ミスによって重要なデータが失われたりするケースがこれに当たります。リスクの顕在化を防ぐためには、脅威や脆弱性を事前に特定し、適切なセキュリティ対策を講じることが不可欠です。

 


 

情報セキュリティにおけるリスク管理は、組織の持続的な成長と信頼性の確保に不可欠です。次のセクションでは、具体的な脅威の種類について詳しく解説し、それぞれに対する効果的な対策を探っていきます。「1.3 脅威の種類」をご覧ください。

公開: 2024-09-18 更新: 2024-09-24